「七草粥」は「正月の暴飲暴食で弱った胃をいたわる」という宣伝文句を目にしたことがありますが、とんでもない説明です。行事の本質はそこではありません。また「食べる」という行為自体もさほど重要ではありません。それを「栄養が」とか「ビタミンCが」とか「胃に優しい」とか言いつのるのは野暮の極みです。冷静になっていただきたい。雑草ですよ。それが正月7日に急に力を持つはずがありません。いつもは見向きもしないのに。
上の写真は「ホトケノザ(2015.6.3記事参照)」。12月下旬に撮影しました。「春の七草」に「ホトケノザ」とあるのは「タビラコ」のことであると、言われていますが。昔の書物のいくつかには、「春の七草」として「たびらこ」「ほとけのざ」の両方が載っています。これをどう解釈するべきでしょうか。
できれば野山に出かけ、摘み草を楽しみ、春の訪れを身をもって感じるのが理想ですが、何しろ今だと1月の初旬ですからね。植物も少なく、寒さも厳しいでしょう。旧暦と新暦のズレが日本人の季節感に微妙な影響を与えています。対策としては、行事を行う際には新暦を無視して旧暦通りに執り行うのが有効です。ただスーパーに「パック入りの七草」が並ばない可能性もありますので、自分で調達する必要があります。ちょっと面倒ですが、本来の「春の七草」とは、そういったものです。
「春の七草」の残りの「セリ(芹)、ハコベラ(ハコベ)、スズナ(蕪)、スズシロ(大根)」の写真はありません。近所には生えていません。
写真:zassouneko