タンポポ(蒲公英)/キク科/タンポポ属
在来種 多年草 英名は:ダンデライオン
タイトルは「ニホンタンポポ」であるが、そのような名前の種はないのである。「セイヨウタンポポ」と比較するために「ニホンタンポポ」とした。「日本の在来種のタンポポ」という意味である。
いつも買い物に使っているマックスバリュが4月の頭から改装工事のために店を閉めていた。先週末に2週間ぶりに営業を再開したので、新店舗の見物も兼ねて買い物に出かけることにした。その途中でこのタンポポに出会った。
風が少しあるが快晴である。散歩も兼ねて少し大回りのコースをのんびりと行くことにした。途中で雑草の写真を撮っていると、いつもと様子の違うタンポポがいるのを妻が見つけた。さっそく「総苞(萼とは呼ばないようだ)」の部分を確認すると、反り返っていない。ああ、これは日本の在来種のタンポポではないだろうか。
別の場所でも「総苞」が反っていないタンポポを見つけた(写真左)。写真右は「セイヨウタンポポ」。
たかがタンポポごときで大げさなと思われるだろうが、近年は「セイヨウタンポポ」が大繁殖していて、日本のタンポポは駆逐されたような状況になっているのだ。
21世紀に入ってすぐの話である。長野県の安曇野にある「大王わさび農場」へ遊びに行った。ちょうど季節が春だったので園内にはタンポポがたくさん咲いていた。当時は雑草にさほど関心はなかったが、見物にも飽きたので何気なしにタンポポの萼を調べてみた。そして結果にショックを受けた。半数以上が外来種だったのである。こんな田舎で、と言っては失礼ではあるが、黒澤明監督の映画「夢」のロケ地に使われるほどの美しい自然の地でさえ、外来種に侵食されているのである。
「セイヨウタンポポ」に比べて葉の切れ込みが小さい。と言うか、ほとんどない。写真中央下、小指の右にある葉は、いかにもタンポポという感じがするが。
日本のタンポポには「カントウタンポポ」「カンサイタンポポ」「トウカイタンポポ」など多くの種類がある。で、今回見つけたものが何かというと、実はよく分からないのである。と言うより、正体をはっきりさせようという意欲が湧かないのである。なんかね、在来種のタンポポというだけで満足しちゃったのよね。「シロバナタンポポ」ではないし、「エゾタンポポ」でもないことは確かだろう。地理的に考えて「カンサイ」か「トウカイ」かな。どっちでもいいや。
タンポポの仲間は細かく分類すると世界中で400種ほどあるという。多いな。日本に生えているタンポポも10種以上はあるだろう。ネットの写真をいろいろと見比べているのだが私にはなかなか区別がつかない。やっぱりキク科は分かりづらい。
写真:zassouneko