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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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マツバゼリ/とにかく細い/2019.7.1

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マツバゼリ(松葉芹)/セリ科/マツバゼリ属
南米アメリカ原産の帰化種 1年草 学名はCiclospermum leptophyllum 英名はMarsh Parsley(沼地のパセリ)

日本では明治26年に最初の報告があったという。明治26年というと1893年か。今から120年以上前だな。そんなに昔からいたのか。珍しい存在なのかと思ったが、畑や田んぼの雑草として一般には知られているようである。なるほど、英語名の「沼地のパセリ」も分かる気がする。ちなみに日本名の「マツバゼリ」の命名者は植物学者の牧野富太郎氏だそうだ。

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一応学名を書いた。「学名」と聞くと我々のような素人は身構えてしまうが、ただのラテン語であって意味も単純だ。この植物の学名も詳細は確認できなかったが、「Ciclospermum」は「セリ科」、「 leptophyllum」は「細い葉」らしい。ほら、単純でしょう。なんだかアバウト過ぎる気もする。細い葉のセリ科の植物が他にもいたらどうするのかと心配になるではないか。大きなお世話か。それに日本名の「マツバゼリ」も納得がいかない。牧野先生に逆らうようだが、どう見ても「松葉」というより「糸」だと思う。それほど細い葉なのである。

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一昨年(2017年)の5月、歩道の脇に咲いていたのを見つけた。最初はかすみ草のような用途の園芸種だろうと思っていた。すぐ横に花屋があり、店先にポットに入れた花を多く置いていたのでそこから種が飛んだと考えたのだ。それから1年後(2018年)に数キロ離れた場所でも見つけた。そして今年(2019年)、その場所に大量に生えているのを発見した。こりゃ帰化しているな。

以前にも「糸のような葉」で検索したことがあるが、正体は分からなかった。そこで、本腰を入れて検索することにした。検索ワードは「コスモスの葉に似た雑草」である。ちょっと日本語としてもおかしい気がするが仕方がない。これが精一杯なのである。このワードで画像検索をするとよく似た植物があった。早速そのサイトに行ってみたが、内容は「正体の分からない雑草が生えてきた」という報告だけだった。そうだね、私も分からなくて探しているんだよ。

次に「コスモスの葉に似た雑草」を英訳して検索してみた。そうしたら英語圏でも同じ質問をしている人がいるではないか。サイトの内容は英語ばかりなので理解はできないが「フェンネル(日本名:ウイキョウ/セリ科)」というヒントを得ることができた。そこでセリ科の植物を一つずつ画像検索したところ、ようやく日本名の「マツバゼリ」にたどり着いた。やれやれ。しかしなんだな、どこの国の人でもこれを「コスモスの葉」だと形容するのが面白い。今にして思えば「ニンジンの葉に似た雑草」で検索すればよかった。ニンジンもセリ科なのだ。

写真:zassouneko
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