在来種 1年草 花期は8〜10月 漢名:酸漿
またまた言い訳から始めさせてもらう。はっきりと「イヌホオズキ」と確定した訳ではない。候補として「オオイヌホオズキ」「アメリカイヌホオズキ」があり、どれも似ているのである。花の色はどれも白で中心部は黄色、花弁は星型をしていて5枚ある。キーボードで「ほし」と入力し、それを変換すると出てくるあの星のマークだ。まあナス科に共通の特徴である(「ワルナスビは進撃する」2015.5.25参照)。「イヌホオズキ」も「オオイヌホオズキ」の花もいわゆる星型であるが少し違いがある。「オオイヌホオズキ」の花はガクの方へ反り返っており、その形が赤ん坊が好きな「おしゃぶり」に似ているのである。あくまでも個人的なイメージですけれどね。また「アメリカイヌホオズキ」とは葉の形が違うように思う。なので「イヌホオズキ」で話を進める。
名前の由来は「イヌ(役に立たない)ホオズキ」である。では「ホオズキ」が何の役に立っているかと言えば、お盆の行事の飾りである。つまり装飾に使えないから「役立たずのホオズキ」と呼ばれるようになった珍しい例だ。普通は食用かそうでないかが基準になる。食用の「ホオズキ」もあるようだが(ペルー産)、日本にやって来たのは比較的最近のことである。
だいたい「酸漿」や「鬼灯」と書いて、それを「ホオズキ」と読むこと自体が強引だ。中国語の「酸漿」に対して、深江輔仁「本草和名(918年)が「和名保々都岐(ホホツキ)、一名奴加都岐(ヌカツキ)」のことと解説し、源順「倭名類聚抄(934年)」では「和名保々豆木(ホホズキ)」としている。このあたりが「ホオズキ」と記録されるようになった最初だろう。では何故「ホオズキ」になったのかハッキリとしたことは不明のようだ。「頬(ほほ)説」「カメムシ説」があるようだ。「頬説」は「ホオズキ」の実を口に含んで音を鳴らす遊びとの関連性を指摘している。その遊びは知っているが実際にやったことはない。