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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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エノキグサ/いろいろとそっくりさん

エノキグサ(榎草)/トウダイグサ科/エノキグサ属
在来種 1年草 花期は8〜10月 草丈は30〜50㎝ 別名:アミガサソウ

こちらが「タデ」。「ハルタデ」「サナエタデ」「イヌタデ」のどれかだと思う。私には区別がつかない。

名前の由来は葉の形が樹木の「榎」の葉と似ているからだ。どうもスッキリしない命名の仕方である。この草の葉を見て「榎の葉にそっくりではないか!それ以外には考えられない!」と人は思うのであろうか。もちろん、これは単なる言いがかりであることは承知している。常識として知っていなければならない「榎」について、私は何も知らないのである。それだとしても納得しがたい名前だ。つい先日、「クワクサ(桑草)」という「桑の木」とよく似ている葉を持つ雑草の記事を書いたばかりであるが、こちらの場合はただ似ているだけでなく、同じ「クワ科」の植物だという共通点がある。「榎」はニレ科の樹木で、「エノキグサ」はトウダイグサ科の草である。共通点は見当たらない。

同じ植物とは思えない(上の写真2枚)

ずっと「タデ科」の仲間だと勘違いしていた雑草である。赤い花の部分ばかりに目がいっていたので、てっきり「タデ科」だと思い込んでいたのだ。ところで「新牧野植物図鑑」でこの草を見ると「えのきぐさ(人莧)」と記載がある。今度は「(莧)」が登場した。残念ながら「人莧」を検索しても、ヒットするのは中国語のサイトばかりなので詳しいことは分からない。とにかく中国ではこの草を「人莧」と呼ぶようである。つまり「ヒユ科」の植物にも似ているわけである。さて、「エノキグサ」の日本での別名は「アミガサソウ(編笠草)」である。どこが「編笠」なのかと不思議に思っていたが、ようやく分かった。下の写真の赤丸で囲った葉をひっくり返せば「編笠」の形に見えるのである。つまり、この葉を持っていれば「アミガサソウ」である。とは言っても、今時「編笠」なんぞは日々の生活の中で見かけることはないだろう。例を挙げるとすれば阿波踊りで女性が被っているのがそれである。


「トウダイグサ科」は「燈台草科」と書く。「燈台」とは木製の長い足を持つ昔の照明器具のことで、上に皿を置いて油を入れ、それに灯芯を浸し火を点けて使用する。上の写真の赤丸で囲った葉を油を入れる皿に、そして植物全体を木製の足に見立てたのだろう。ちなみに皿の代わりにロウソクを立てれば「燭台」である。

「クワクサ」同様、タグを「地味」としたが、それについては少し悩んでいる。極端なことを言えば、ほとんどの雑草は「地味」なのだ。そして「地味」というのは私の主観に過ぎないのである。植物から何の特徴も読み取れない観察力の無さが「地味」という結論を導き出すのだ。これは私自身の問題でもある。ところが、いざ「地味」に代わるタグを考えようとしても、何も浮かばないのである。まあ、「地味」でいいか。

追記&訂正(2016.8.16):文章を一部訂正・加筆しました。

写真:zassouneko
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