ノハカタカラクサ(野博多唐草)/ツユクサ科/ムラサキツユクサ属
南アメリカ原産の帰化種 多年草 花期は5〜8月
別名:トキワツユクサ(常盤露草)学名:Tradescantia flumiensis
以前に「トキワツユクサ」の名で紹介したが、公的機関などは「ノハカタカラクサ」としているのでそれに準じた。
初めて見かけたのは今から3〜4年前だろうか。くっ付くように建てられた2件の古い家屋の向かい合う壁のわずかな隙間に生えていた。濃い緑の葉と三角形の白い花びらが3枚。特徴的な出で立ちなので名前はすぐに判明した。花の名前が分かると、どうしてもこの花を意識するようになる。その結果、意外なほど多くの場所で生えていることに気付くのである。意識すると自然に目に入ってくるのだ。
何度か見かけているうちに、ある特徴に気付いた。発見する場所が日陰ばかりなのだ。あまり陽のあたらない建物の北側や背の低い樹木の影などで見かけることが多いのである。開けた空き地や草むらではほとんど見かけない。
上に「意外なほど多くの場所で」と書いたが、それもそのはず「ノハカタカラクサ」は「要注意外来生物」なのである。もっともこの分類は2015年には廃止されており、今は「生態系被害防止外来種」となっている。「要注意」が廃止されたのは、それだと危機感に乏しいからだろう。「注意していればいいか」で済んでしまい、対策が進まないのである。この花は愛知県の「対策の必要な外来種」にも含まれている(生物全体で30種、うち植物は15種)。「日陰が似合う」などと風流を気取っている場合ではないのである。
1本の茎に花が多くつくので当然種も多くなる。外来種のツユクサはほとんどそうである。
写真:zassouneko