清水口近くの公園(上の写真)。「シロツメクサ」の花の大半は茶色くなっている。イネ科の葉も色が薄く、瑞々しさがない。あと3〜4日もすれば台風がやって来るので、それまで頑張れ。
連日の暑さは人には厳しいが、雑草はさほど気にしてはいないだろう。それよりも雨が降らないことの方が問題である。ここまで晴天が続く夏というのは珍しいのではないか。まあ、これは名古屋に限った話かもしれない。7月末に西に進む台風が近くを通り過ぎたのだが、どうしたわけか雨は少なかった。今、名古屋の大地は乾燥しきっているのである。
雨が降らないので、あちこちで萎びてしまった雑草を多く見かける。そんな中、水不足を気にしない雑草たちもいるのである。まずは下の写真から。
「ハゼラン(上の写真)/ハゼラン科/外来種」。幅広で柔らかい葉だが、萎れている様子はない。下の写真は2ヶ月前のもの。一度刈られたが、また生えてきた。
6月頃の「ハゼラン」。上の写真と同じ場所である。
熱い鉄板の近くでも、まるで気にしていない雑草たち。左から「クワクサ/クワ科/在来種」、真ん中上「エノキグサ/トウダイグサ科/在来種」、真ん中下「クルマバザクロソウ/ザクロソウ科/外来種」、右下「スベリヒユ/スベリヒユ科/在来種」
「スベリヒユ」が肉厚な葉を保っていられるのは、CAM型光合成を行なっているからだ。植物は二酸化炭素を光合成によってエネルギーに変換する。それを日が差している日中(光合成には太陽の光が必要)に行うのだが、二酸化炭素を吸うために気孔を開くと、そこから体の中の水分も蒸発してしまうのだ。なので、水分の充分な補給がないと植物は萎れていく一方なのである。ところが「スベリヒユ」は暑さのやわらいだ夜の間に二酸化炭素を体に取り入れ、それを日中の光合成に利用するのである。暑い最中に気孔を開く必要がないので体の水分が失われないのである。
「スベリヒユ(上の写真)」。ほとんどは地を這うように成長するが、たまに立ち上がるものもいる。山形県では普通に食べられている食材だそうだ。収穫の様子をテレビで見たが、その時の「スベリヒユ」は立ち上がっていた。「這うもの」と「立ち上がるもの」の違いはどこからくるのだろうか?
前述した「ハゼラン」は少し前は「スベリヒユ科」に分類されていた。おそらくCAM型光合成を行なっているのではないか。「ではないか」とあやふやなのは、はっきりとした記載が見つからなかったからである。ウィキペディアにはCAM型光合成を行う植物に「サボテン科」「ベンケイソウ科」「トウダイグサ科」という記載があった。上にあげた「エノキグサ」は「トウダイグサ科」だ。また、植物の16%はCAM型であるという。けっこういるんだな。
写真:zassouneko