「マツヨイグサ」「ツキミソウ」アカバナ科/マツヨイグサ属
両者の区別は簡単だ。花が黄色であれば「マツヨイグサ」、そうでなければ「ツキミソウ」である。
「ヒナマツヨイグサ(雛待宵草)」。「コマツヨイグサ」に似ているが、こちらは日中に開花する。「マツヨイグサ」の仲間で日中に開花するのは「メマツヨイグサ」だけである。また、葉の縁が滑らかでギザギザが無いように見える。
※訂正です。当初「メマツヨイグサ」と紹介してしまいました。昼の咲くのは「ヒナマツヨイグサ」です。失礼しました。
何に使うのかよく知らないが、世間にはツキミソウオイルという商品がある。そのパッケージには黄色の花が描いてあることが多いが、それならばマツヨイグサオイルと呼ばなければならない。
この間違いの原因は英語にある。もともと「ツキミソウ」も「マツヨイグサ」もアメリカ大陸が原産である。そのアメリカでは、この両者をまとめて「evening primrose」と呼ぶ。その「evening primrose」を訳す時に「ツキミソウ」としたのが間違いなのである。一方、中国では「待宵草」1種を除き、残りは全て「月見草(ツキミソウ)」と呼ぶ。所変わればなんとやらというやつである。
ちなみに「primrose」は「prime(プライム)」ではなく「prim(潔癖すぎる、いやに上品ぶる、きちんとした、こぎれいな)」であるのに注意。褒めているようには思えない名前だなあ。まあ、バラ(rose)はお花の女王様だから、それと比べるのも可哀想ではある。
「ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)」。名前通りに日中に咲く。花弁が白いタイプもあり、ピンク色のものは「モモイロヒルザキツキミソウ」と呼び、両者を区別する場合もある。
「ユウゲショウ(夕化粧)」。夕方から咲くので「夕化粧」なのだが、日中から咲いている。
そのものズバリの「ツキミソウ(月見草)/花の色は白」も渡来したが、うまく帰化できなかったようだ。それでも細々と命をつないでいるようで、ある日突然、庭から生えてきたというという報告もある。
写真:zassouneko