「図鑑」とタイトルにありますが、3種類しかありません。だが、名古屋市の繁華街の一つ、栄から地下鉄で1〜3駅の範囲で見つかった「ミント」達である。いずれも日本に渡来してから100年以上経っており、すっかり定着したようだ。種でなくとも根が少しでも残っていれば芽を出すことができる。その逞しさには舌をまく。なお、ここに挙げた植物たちが帰化したものの子孫か、近所で栽培されていて種が飛んできたものか、それとも誰かが植えていったものかなどの詳細は不明である。
スペアミント=オランダハッカ(阿蘭陀薄荷)/シソ科/ミント属
ヨーロッパ原産の帰化種 多年草 花期:6〜8月 別名:ミドリハッカ
江戸時代の1818年に幕府の要請でオランダを通して初めて日本に入る。その後、1839年に再び持ち込まれ、それが各地に広まったようである。写真のミントは毎年この場所から春先に芽を出す。コンクリートブロックの中からのびているものもある。
ペパーミント=コショウハッカ(胡椒薄荷)/シソ科/ミント属
ヨーロッパ原産の帰化種 多年草 花期:6〜8月 別名:セイヨウハッカ(西洋薄荷)
明治時代に渡来したということだが、正確な時期は判らなかった。細かいことを言うようだが本当は「ペッパーミント」である。スペアミントとウォーターミントの交配種。歩道の植え込みの街路樹の横に生えていた。
アップルミント=マルバハッカ(丸葉薄荷)/シソ科/ミント属
ヨーロッパ(地中海沿岸)原産の帰化種 多年草 花期:6〜9月
詳しい渡来時期は不明。明治12年(1879年)には帰化が確認されているから、それより以前の渡来だろう。これは住宅街の中の空き地に大量に生えていた。この場所は他にも「オオキンケイギク(特定外来生物)」「ダキバアレチハナガサ」などの外来種がたくさん生えている。「ヘラオオバコ」もここで見つけた。こんなにも重宝する空き地は初めてである。
写真:zassouneko