トキワハゼ/サギゴケ科/サギゴケ属
在来種 1年草または越年草 花期は4〜11月 学名:Mazus pumilus (Burm.f.) Steenis 中国名:通泉草 英名:Japanese Mazus
「ゴマノハグサ科」→「ハエドクソウ科」→「サギゴケ科」と忙しい草である(AGP体系でサギゴケ科になった)。「トキワハゼ」の「常盤」の名に恥じず一年中見かける。小さいけれどなかなか丈夫な草である。その能力があるからこそ、あちこちで繁殖している。
国道沿いの歩道の脇。日当たりが良いのかずいぶんと上へのびている。
花の形がいまいち把握しづらい。絵に書いて見ろと言われても、頭の中に形が浮かんでこない。この形の花を「唇形」と言うそうだ。奥が筒状になっており開放部の花弁が唇である。上唇はいいとして下唇が3つに分かれているのはいかがなものか、と文句をつけたくなる。それでは「唇」とは言いがたい。上の写真を見ると「萼」は星型で5つある。と、いうことは花弁も5枚だ。おそらく上唇が2枚あるのだろう。ますます我々がイメージする唇ではない。また「シソ科」や「アゼナ科」も同じ花の形をしている。花だけを見ると見分けづらいが、「シソ科」や「アゼナ科」は茎がしっかりと立ち上がり葉も多く背が高くなる。一方「サギゴケ科」は背があまり高くなく、茎の上部には葉がほとんど見当たらない。
「キランソウ(シソ科キランソウ属)」(上の写真) もよく似ている。違いは花の色が濃いところと、葉のシワが深く、縁(ふち)が大きな波のような鋸葉であることだ。花も地面に近い所で咲く。最初に見つけた時は色の濃い「トキワハゼ」だと思っていた。
「ムラサキサギゴケ」(写真なし)とも似ているが違う点はある。実物を見たことがないので写真や解説から拾ってみた。まず、「ムラサキサギゴケ」の花は全身が紫色である。そして花の大きさが違う。花を横から見ると両者共筒状になっていて、それを含めた花弁の長さが「トキワハゼ」は1㎝ほど、対して「ムラサキサギゴケ」は2㎝前後ある。また「ムラサキサギゴケ」は匍匐する茎があり、そこから根を出したり花をつける茎を立ち上げる。そして葉の「鋸葉」が目立つ。「トキワハゼ」も「鋸葉」であるがあまり目立たない。
カテゴリーに「地を這う雑草」を含んでいますが「トキワハゼ」は這いません。とても小さく這っているように見えるので入れてあるだけです。
写真:zassouneko