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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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オオバコの生き残り術

オオバコ(大葉子)/オオバコ科/オオバコ属
在来種 多年草 花期は4〜9月 中国名:車前草 学名:Plantago asiatica

私の中では「オオバコ」と夏の強い日差しはセットになって記憶されている。暑い夏の午後、遊びに行った公園や空き地の白く乾燥したような場所でも「オオバコ」は生えていた。

人に踏まれても生育を続ける植物を「踏み跡植物」と言うそうだが、正式な用語なのかは分からない。ネットの植物用語辞典に載っていない場合もあるからだ。この「踏み跡植物」は他にもいろいろあるようで「クサイ」「カゼグサ」などが知られている。麦なども「麦踏み」をすると丈夫に育つというが、これは足で踏むことで根元の土を固め、また植物が傷つくとエチレンというホルモンが出るので、それが成長を促すということらしい。しかし、ひっきりなしに荷車に踏まれては麦も育たないだろう。他の植物が育たないような場所が「オオバコ」の安住の地なのである。


「オオバコ」が踏みつけに強いのは、その構造に秘密があるという。葉に水分を送る道管や、光合成で出来た糖を植物全体に送る師管が丈夫な細胞に守られており、踏みつけによって傷つくことがほとんどないという。なので他の植物が耐えられないような場所での生育が可能なのである。ところが逆に言うと普通の場所では生育できないのである。「オオバコ」は背が低いので他の植物の陰になってしまい、光合成ができなくなってしまうのだ。「オオバコ」は人のいない静かな環境で暮らすというわけにはいかないようである。人里の近くにしか住まない雀にどこか似ている。

外来種の「ツボミオオバコ」。穂が長すぎて全体のバランスが悪いぞ。

面白い話を見つけた。山道で迷子になった時、道らしきものがあったら「オオバコ」が生えているかどうかを探すといいらしい。生えていたら人が歩いた道だということになる。それを辿っていけば、いつかは人里には出られるという訳である。「動物だってオオバコを踏むだろう」という意見はごもっともである。「獣道」にも道らしきものはあるが、背の高い植物が覆いかぶさるように繁っていて、いわばトンネルのようになっていることが多い。それに対して人の通る道は上空まで「抜けて」いるのである。「クマが立って歩いたらどうなるんだ」というツッコミは一切受け付けない。以上である。

写真:zassouneko
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