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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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クルマバザクロソウの困惑

クルマバザクロソウ(車葉柘榴草)/ザクロソウ科/ザクロソウ属
熱帯アメリカ原産。分岐して30cmほど。花期は7〜10月。別名ヘラザクロソウ

江戸時代の末期に外来。牧草などに混入していたか。在来種の「ザクロソウ」というのがあり、こちらはアジアの熱帯・温帯に分布している。葉や果実の形が「ザクロ」に似ているため「ザクロソウ」となったという。

「ザクロソウ」と「クルマバザクロソウ」は葉のつき方に特徴がある。茎の1つの節から2枚の葉が向かいあってついているのを対生というが、この草はその葉が5枚ほど放射状についているのである。これを輪生という。その様子を例えるなら、時計の長針を5本に増やし、それを等間隔(72度)で配置した状態というところか。自転車のスポークが5本の状態といった方がわかりやすいか。実際の葉は4〜6枚ぐらいだが。「クルマバザクロソウ」は「ザクロソウ」より葉が細いので自転車のスポークのイメージに近いかな。

というのが名前のいわれなのだが腑に落ちない。それなら両者とも「クルマバ」と言ってもいいだろう。スポークの太さの違いにすぎないからだ。「クルマ」が「自動車」の意味でなく「タイヤ」の意味で使用されているのは明らかだろう。それなら一方だけに「クルマ」を冠するのは妙である。円の中心にある軸で回転するもの、例えば馬車の車輪や水車も「クルマ」の範疇に入る。つまり回転する円が「クルマ」の概念の中心になければいけない。しかし「クルマバザクロソウ」は葉が丸いわけではないのである。この草の葉は中心と外縁を結ぶものでしかない。まさにスポークである。その意図でもって見えない「円」を想像するように強制するのは、いささか不親切な名前であるといえる。「ツールドフランス」やトラック競技のレースなどに参加する自転車にはスポークがなく、板で全面を覆っているような形状のものもある。「クルマバ〜」と頭につく植物は幾つかあるが、輪生の葉を持つものばかりだ。そのほとんどに違和感を感じる。「クルマ」は植物の特徴を何も表していないように思える。

と文句ばかりを書き連ねているが、実は他に書くような情報がないのである。ザクロの木に関することを書こうとしたが、それでは話題が飛びすぎだろうと思い止まったほどである。


イラスト&写真:zassouneko
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