ノブドウ(野葡萄)/ブドウ科/ノブドウ属
在来種 つる性落葉低木 花期は初夏から夏にかけて
去年見つけた「ノブドウ」の観察日記である。マンションとコインパーキングの境にあるフェンスに盛大に絡まっている。全長は10m以上はあるだろう。居心地が良さそうだ。
初期の花(5月の中旬)
上の写真は6月上旬撮影。花びらが見えないが、これで開花しているのだろう。数匹の蜂が花の周りを飛び回っている。蜜蜂だろうか。「ノブドウ」の実に卵を産みつける「ブドウミタマバエ」「ブドウトガリバチ」というのがいるそうなので、それかもしれない。なので、この両者を画像検索してみたのだが、なぜか写真が見つからない。まあ蜜蜂ということにしておこう。
ツルの様子。幹は緑だが先端部は赤黒い。先っぽについているのは、たたまれた若葉だろうか。それとも花か。
実が色づいてきた(8月上旬撮影)。様々な色があるのは前述した虫が卵を産みつけたためである。寄生されなければ熟すと赤黒くなり食べられるというが、ここ数年の観察からすると、そんな実は見たことがない。つまり、ほとんど寄生されてしまうということであるが、そんなことがあり得るだろうか。全ての実に虫が卵を産みつけるとは思えないのだ。なお、写真の下の方、「ノブドウ」の葉にくっついている白いものは、「アメリカオニアザミ」の種だと思われる。つい最近まで、すぐ近くに咲いていたのだ。
色づいている実がある一方、これから咲こうとしている花もある。ずいぶんと時間差があるようだ。
「たわわに実った」と言いたいところだが、おそらく寄生されているので赤黒くならないだろう。ちょっと残念な気がする。ちゃんとした実を一度は食べてみたいものだ。
別の場所で見つけた「ノブドウ」(7月下旬撮影)。上記の場所からは5〜600m離れている幹線道路沿いのガードレールに絡まっている。何回か横を通ったことがあり、「ノブドウ」ではないかと思っていたのだが確信は持てなかった
。今回は実をつけていたので判断できたのである。意外とあちこちに生えている。繁殖力はありそうだが、ツルをのばすための広いスペースが必要なので、その場所を確保できるかが一番の問題だろう。
写真:zassouneko