上の写真は12月中旬撮影、下は3月下旬に撮影したもの。
ホトケノザ(仏の座)/シソ科/オドリコソウ属
在来種 越年草 花期は3〜6月 10〜30cm 別名はサンガイソウ(三階草)
この名前は葉の形が仏様の台座(上の写真左)の形に見えるところからついた。「おいおい、あれは蓮の花だろう」とツッコむ人は正しい。奈良の大仏様などが座っているのは蓮の花で、それを蓮華座という。蓮の花は「ホトケノザ」にまるで似ていない。花と葉を比べるのは無理があるのだ。それなのに「仏の座」になったのは理由がある。実は台座は10種ほどあって仏様の位によって使用するものが決まっているのである。如来や菩薩は蓮華座である。では「ホトケノザ」はどの台座かというと、天(吉祥天など)が使う荷葉座(かしゅうざ)という蓮の葉を模したもののような気がする。「気がする」と自信なさげなのは、どこにもそう書いてないからであって、私が勝手に言っているのである。ご注意いただきたい。
花を仏様に見立てれば、台座の上に立っている姿のようにも見える(冒頭の写真)。そして、少し前屈みになった形と鮮やかな赤紫色は観音様をイメージさせる(上の写真右)。なので草全体を眺めれば、たくさんの観音様がいるように見える。
上の写真は12月中旬撮影、下は3月下旬に撮影したもの。
12月も終わろうとしている時期に芽を出すこともあり、多少の寒さは気にならないようだ。そういえば春先には見かけるが、夏の声を聞くようになると姿が消える。普通の植物とは真逆の生態である。冬の雑草といっていいだろう。この在来種が街中で繁殖できているのは、この性質のおかげだろう。
写真:zassouneko