忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ウチワサボテン/野良サボテンはどこにいる

ウチワサボテン(団扇仙人掌)/サボテン科/ウチワサボテン属
メキシコ原産の多肉植 多年草 1717年に渡来 花期は6〜8月

「ウチワサボテン」を雑草として取り上げるのは抵抗があるが、ちょっと興味が湧いたので「小ネタ」として扱うことにする。「ウチワサボテン」とタイトルにあるが、「ウチワサボテン属」は300種ほどあるので、写真の植物の正式な名称は分からない。撮影したのは5月の下旬。

渡来したのが1717年というから、江戸時代の中期である。ちょうど五代将軍が白馬に乗って暴れており、大岡越前がお白州で一両損をしていた時代だ。300年前か。それほどの時間が経過しているのに、サボテンの仲間は帰化しているという話は聞いたことがない。野原や道端で見かけることはないが、「松江の花図鑑」によると帰化しているものもあるという。環境省の「要注意外来生物」にも「サボテン類」の記載はないが、「オプンティア・ストリクタ(Opuntia stricta)/ウチワサボテン属」という種に関する注意情報は載っていた。この「サボテン」は繁殖力が旺盛で、「外来入種ワースト100(国際自然保護連合IUCNによる)」にも選ばれている。オーストラリアやスペインへの侵入の報告がある。このサボテンを写真付きで取り上げているブログを見つけたので、日本に入って来ているのは確かだ。

「サボテン」を「仙人掌」と書くのは、漢名(中国語)の影響である。「仙人の掌(手のひら)」であるから、「ウチワサボテン」が最初に中国に渡来した時に、名付けられたのだろう。球体のサボテンはどう見ても「手のひら」には見えないからだ。どうして「仙人の手のひら」になったのかは不明である。また「サボテン」は和名で、英語だと「カクタス(cactus)」だ。この「サボテン」はシャボン(石鹸)からきており、切り口から出る粘液が油汚れをよく落とすことから、この名前になったという。「サボテン」の仲間は園芸店でも人気が高く、あちこちで見かけることができる。これで帰化していないのが不思議な気がするが、「野良サボテン」を見かけないので、帰化できないような何か理由があるのだろう。日本の庭先に植えられたものが何年も成育しているのだから、気候の問題ではない気がする。おそらく野原や空き地のように他の雑草も密集して育つような環境が苦手なのではないだろうか。私の頭の中のイメージだと、メキシコの草の少ない荒野にポツンと「サボテン」が立っている姿が浮かぶ。他の植物の影響を受けやすいのだろうと思う。

すっかり日本に馴染んでいるようだ。撮影したのは5月の上旬。

別のサボテン。撮影日は6月の初旬。

一時、「サボテンステーキ」なるものが話題になった記憶があるが、人気が出なかったようで、今はほとんど目にしない。そもそも「サボテン」も植物なので花を咲かせ、やがて実をつける。時折、話題になる「ドラゴンフルーツ」は「サボテンの実」である。

ドラゴンフルーツ(無料の画像サイトより)

写真:zassouneko(ドラゴンフルーツの写真を除く)
PR