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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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シバ(芝)とは何だ〜ゴルフ場/2018.11.3

最初に私の意見を。「シバとは狭義では野芝(イネ科シバ属/在来種)、広義だと「イネ科の一部(特に指定はない)のことを指す」。

芝生といえばゴルフ場である。そもそも「シバ」を調べるにあたって、最初に手をつけたのはゴルフ場の「芝」からである。ところが、種類が多いわ、検索がうまく進まないわで、途中で面倒くさくなり後回しにしてしまった。「高麗芝とベント芝の違いはなんですか」の問いに、ボールの転がり方の違いを答えるという「ゴルフ目線」の回答ばかりで、植物本来の話はそっちのけである。そんな検索をした私が馬鹿だった。

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小さな児童公園に生えていた。「ギョウギシバ(行儀芝)/イネ科/ギョウギシバ属/外来種」のような気がする。葉が右左交互に行儀よく出るので「行儀芝」というらしい。小さな穂が5〜6つに分かれている。触った感じはとても柔らかい。刈り込んでいないのでぼうぼうである。

ゴルフ場の芝は2つに大きく分けることができる(もちろん例外もあるが無視する)。日本芝と西洋芝である。日本芝には野芝、高麗芝(日本の在来種なのになぜかそう呼ぶ)、姫高麗芝などがあり、葉は太く硬めで冬になると枯れるが、丈夫である。一方、西洋芝はそれと反対に葉が細く柔らかいが夏の暑さに弱い。そのかわり冬も緑を保つが、世話がちょっと面倒。ゴルフ場では冬でも緑の中でプレイしたいという客の要望に応えるため、両者の芝をミックスして使用している。

日本芝は在来種の「イネ科シバ属」なのだが、外来種(当たり前か)である西洋芝の属名は多種多様である。バミューダグラスはギョウギシバ属、ケンタッキーブルーグラス(和名ナガハグサ)はイチゴツナギ属、ペレニアルライグラスは和名ホソムギ、イタリアンライグラスは和名ネズミムギでいずれもドクムギ属など。まだまだあるのだが調べるのが面倒くさくなったのでここでやめる。

「グリーンの緑が鮮やかで気持ちがいい」とはよく聞くセリフだが、その賞賛している相手は雑草(品種改良しても雑草は雑草であり、やがて野生化する)なのである。それが管理下におかれ綺麗に刈り込まれた状態に美しさを感じているのである。まあ、人が何に美を感じるかは個人の判断であるからどうでもいいことだが、自然あふれる場所を切り開いて人工的に作ったコースをまわりながら「自然大好きアピール」をするのが少々鼻につく。そんな自然大好きゴルファー達だが、ゴルフ場からの帰り道に道端で勝手気ままに繁茂する雑草がグリーンを形成している植物と同じものだと気付くことはないだろう。

国立環境研究所の侵入生物データベースにも上に挙げた西洋芝の半分は掲載されており、すでに帰化しているのである。そのうち全部が載ることになるだろう。つまりゴルフ場は外来種の供給源になっているのである。

写真:zassouneko
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