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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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イヌホオズキ/「ホオズキ」に全然似ていない

イヌホオズキ/ナス科/ナス属
在来種 1年草 毒草 花期は6〜12月 草丈は30〜80㎝ 学名:Solanum nigrum
日本語別名:バカナス、ウシホオズキ・クロホオズキ・ヤマホオズキ・ヒタイホオズキ
漢名:龍葵(リョウキ)英名:Black nightshade, Garden huckleberry, Wonderberry

とにかく花期が長い。昨日(12月1日)も花が咲いているのを見かけた。丈夫な雑草である。さて、日本に自生している「イヌホオズキ」は在来種の他に外来種の「アメリカイヌホオズキ」がある。ざっと調べたところ「○○イヌホオズキ」と名のつく外来種はあと5種ほどあるようだが詳しくは調べていない。面倒くさいし研究者でもないし種の細かな差異などに今は関心はないのだ。冒頭の2つが近在で主に見られるということなので取り敢えず記載した。また「イヌホオズキ」の仲間は区別がつきにくく、ここに載せている写真も正体はよく分かっていないのである。参考までにネットにあった区別の仕方を載せる。なお、どちらの実も真っ黒である。
「イヌホオズキ」:葉は卵型、黒い実の表面は「ツヤ」がなく、あってもわずかである。
「アメリカイヌホオズキ」:葉は「イヌホオズキ」より幅が狭い。実の表面には「ツヤ」がある。
なお、「見分け方」を詳細に書いたサイトがあるので、興味があれば検索してみていただきたい。

花の大きさはこれぐらい。

「ホオズキ」も「イヌホオズキ」も古来からある植物であるが、知名度は「ホオズキ」の方が断然上である。「古事記(712年)」に「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」の記述があるが、その大蛇の目を「赤カガチ(ホオズキ)のようだ」と描写している。また「枕草子」や「源氏物語」にも「ホオズキ」はでてくる。一方「イヌホオズキ」は注目もされず文学にも取り上げられない、ただの雑草である。それでも10世紀頃の事典に「古奈須比(こなすび)、一名久佐奈須比(くさなすび)」という名前で載っているから、存在は知られていたのである。こっちの名前の方がしっくりくる気がする。

名前に「犬」がついているのは「役に立たない、価値が無い」という意味になる。つまり「役に立たないホオズキ」である。では「ホオズキ」がどれだけ人の役に立っているのかと聞かれても、私には「盆の飾り」ぐらいしか返す答えがない。「充分役に立っているじゃないか」と言われても納得はできないなあ。食用の「ホオズキ」もあるようだが、日本で栽培されるようになったのは比較的最近のことだ。

別名の「バカナス」や「イヌホオズキ」など、それほど迷惑をかけているわけではないのに散々な言われようである。これは生え始めの姿が似ていることに原因があるのではないだろうか。「ナス」や「ホオズキ」が生えてきたと思ったのに、それが成長してみると「イヌホオズキ」だったとなると、何か裏切られたような気持ちになるのだろう。似ていても仕方がないじゃないか、同じ「ナス科」なんだから。もうちょっと他の名前がなかったのかなあ。英名なんか「Black nightshade」だぞ。なんだかカッコいいじゃないか。「黒い夜の日よけ」の意味が分からんが。

なぜか葉が黒くなっているものをよく見かける。これが「Black nightshade(黒い夜の日よけ)」の正体なのかとも考えたが詳細は分からない。黒い実に光沢があるように見えるから「アメリカイヌホオズキ」なのかな。

写真:zassouneko
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