ユリノキ(百合の木)/モクレン科/ユリノキ属
北アメリカ原産の大型の落葉樹 花期は5〜6月
別名はハンテンボク(半纏木)、チューリップツリー 学名はLiriodendron tulipifera 英語名はTulip tree
いつもなら雑草といえども、生えている場所を公表することはなるべく避けてきたのだが、今回は別である。生えている場所は外堀通りの飯田町の交差点の南、ガソリンスタンドのある飯田町南の交差点の南西の植え込みである。もう少し南へ下るとセブンイレブンがある。番地は泉ニ丁目になるのかな。グーグルやappleの地図だと町名や番地が今一はっきりとしない。マップの使い方が下手なのかな。
なぜ場所を公表したかというと、比較的珍しい「木」なので誰かに引き取ってもらいたいのである。このままだといずれ業者によって刈られてしまうだろう。勝手に生えてきた「雑草」なのだから、掘り起こして持ち去っても問題はないように思える。心配なら役所に聞けばよい。「緑地帯に生えている雑草を勝手に抜いていいか」と。
最初に見つけたのは7月の末。また得体の知れない雑草が生えてきたなと思った。正体が解れば記事にしようと考えていたが、なかなか名前が判明しない。意を決して「大きな葉」「変な形の葉」というアバウトなワードで検索をかけ、手当たり次第に画像を見ていくことにした。その結果、ようやく正体が判明した。この植物は大木に成長する「木」だったのである。
中心に小さな楕円形のものがある。ここから新しい葉っぱが生まれてくる。
大正か昭和の初めに渡来したようだ。「ユリノキ(百合の木)」は学名の「Liriodendron」をそのまま訳したものだが、この木と「百合」には何の関係もない。別名の「ハンテンボク(半纏木)」は葉の形が「半纏(はんてん、ドテラみたいな着物)」に似ているから。また、「チューリップツリー」は花がチューリップに似ているからである。英語でも「Tulip tree」だ。
上の写真:9月5日撮影。「半纏(はんてん)」の形に見えるかな。最初に見つけた時は誰かが葉っぱを切ったのだろうと思ってしまった。だって、変だよね、この形。
特徴は花がチューリップに似て大きくて香りがよく、蜜が豊富だそうだ。豊富すぎて地面に滴り落ちるそうである。また樹液も甘い。この木を養蜂家は絶賛するという。なかなか良さそうな木であるが、欠点も書かねばならない。それは成長が早くて、すぐに大きくなるということだ。24年で20mに成長、という例がある。20mといえば車を4〜5台並べたほどの長さであり、建物の6階以上の高さになる。広大な場所が必要になるだろう。また成長が早いせいか強風に弱く、枝が折れやすいという。
この木は新宿御苑や東京国立博物館のシンボルツリーでもある。それぞれのHPで詳細を知ることができる。残念ながら「植え替え」に弱いというから、幼木の今のうちならなんとかなりそうな気がする。今の草丈は1mぐらいである。
それにしても、どこからやって来たのだろうか。ここまで種が運ばれてきたのは確かである。これから近所を歩く時には樹木にも注目してみよう。葉を見れば一目瞭然なので見つけ易いだろう。
問題なのは、この植物が「ユリノキ」ではない可能性があるのだ。もしそうだったら、笑って許してほしい。
写真:zassouneko