マツヨイグサ(待宵草)/アカバナ科/マツヨイグサ属
アメリカ大陸原産の帰化種 1年草 「◯◯マツヨイグサ」とつくのは全て外来種です。
冒頭の写真は「ユウゲショウ(夕化粧)」。ちょっと他の「マツヨイグサ」とは雰囲気が違います。
以前の記事に「ツキミソウは帰化できなかった」と書きました。国内で見られるのは栽培されているものがほとんどで、日本の自然の中では生きていけないようです。この花を販売している業者もあるようですが、「苗の育成に失敗したらお届けできません」みたいな断りを入れているところもあって、栽培が難しいことが想像できます。この花は連作障害を起こすらしく、同じ場所での生育は困難なようです。鉢植えなら土を入れ替えれば大丈夫なようですが。
それでも「庭にいきなり生えてきた」という報告もネットで目にします。販売されているものの種が飛んできたのでしょうか。それとも人知れず命を繋いできたのでしょうか。他の「マツヨイグサ属」の繁栄ぶりと比べると、なぜ「ツキミソウ」だけが、という気がします。思わず応援したくなります。外来種ですけどね。
今、世間では「ツキミソウオイル」が人気のようで「ツキミソウ」で検索すると効能を謳ったサイトや商品が多く引っかかります。そして、その商品のパッケージに写っている花はすべてが黄色です。欧米ではこれらの花は「イブニングプリムローズ(evening primrose)」で、商品名は「プリムローズオイル」です。それが日本にくると「ツキミソウオイル」となります。「マツヨイグサオイル」としないのは語呂が悪いからでしょうかね。つまり名前の読み替えをしているのです。江戸時代と同じですね。「ツキミソウ」とは人々のイメージの中に存在している花のように思えてきます。
さて、皆さんはもう「ツキミソウ」のことを覚えましたね。これからは「ツキミソウオイル」のパッケージにある黄色の花を見て「マツヨイグサやないかーい」とツッコミをいれられます。また「アイツはヒマワリでオレはツキミソウだ」と言った元野球監督にも「それはマツヨイグサじゃー」と、これまたツッコミをいれられます。こうして書くと「正しいツキミソウ」を知ったところで、あまり役に立っていないことが分かります。なんだかなあ。
写真:zassouneko