野草の誤食による中毒は毎年のように発生しますが、特に春先は「ニラ」にからんだ事故が多いように感じます。検索してみると、今年の3月だけでも全国で3件ほど発生しているようです。その中で目を引いたのは、野菜の直売所で購入した「ニラ」に「スイセン」が混入していたという事例です。直売所に野菜を卸しているのは農家だと思いますが、それでも間違いが起こるようです。そこで、このような事故が発生するメカニズムを考えてみたいと思います。「その1」は原因となる植物を、「その2」は事故の背景と対策をまとめてみました。素人ですから的外れな意見かもしれませんが。
ニラ(ヒガンバナ科)
これが「ニラ」です。花期は8〜10月。葉に「ニラ臭」があります。当たり前ですが。左の花の写真は9月頃のもので、上の方に写っている赤い花は「ヒガンバナ」。右の葉は最近(4月中旬)撮影したもので、まだ成長の途中の段階です。
①スズラン(キジカクシ科)花期は春
この花を「ニラ」と間違えることはおそらくないと思います。ですから「行者ニンニク」と間違えての誤食ということになります。毒性が強く、非常に危険な植物です。
②上:スイセン(ヒガンバナ科)、下:スノーフレーク(ヒガンバナ科) いずれも花期は春
いずれも花を見れば「ニラ」と間違えることはないと思いますが、葉だけだとよく似ています。「ニラ」の花が咲く頃には葉だけになっていますし、毒性も強いので注意が必要です。葉に「ニラ臭」がないので区別はつくでしょう。
③ハタケニラ(ヒガンバナ科) 花期は5〜6月
花が「ニラ」に似ています。これも葉だけになると「ニラ」そっくりですが、「ニラ臭」がしませんので区別できるでしょう。