コメヒシバ(小雌日芝)/イネ科/メヒシバ属
在来種 1年草 花期は7〜10月 草丈は20〜30㎝
そこら中でしょっちゅう見かける雑草である。「コメヒシバ」という雑草があることは「メヒシバ」を調べている際に知った。「基部は地面を這う」とか「茎は暗紫色」という説明は目にしていたが、頭に入っていなかったようだ。植物のサイトの写真では「コメヒシバ」はもっと大きくてしっかり立っているように見えるのだ。つまり「メヒシバ」の仲間だからと考えて勝手にもう少し大きなサイズをイメージしていたのである。そのため、この雑草と「コメヒシバ」が結びつかなかった。小さ過ぎである。しかも細く弱々しく、穂の本数は2〜4本程度である。分かってみれば「なーんだ」である。冒頭の上の写真の茎は倒れているが、下の写真は直立している。これは密集してお互いに支え合っているからだろう。草をかき分けると「暗紫色」の細い茎が見える。
見えづらいと思いますが、上の写真の中央左から右に向かって細い茎がのびています。それを引き抜いたのが下の写真です。
茎はずいぶんと細く、暗紫色をしている。
別の場所に生えていた「コメヒシバ」。長く這う茎のところどころから穂をのばそうとしている(赤い四角、白い四角のものは穂がでている)。また、その部分から下に根をのばしている。
ここで、ざっくりと「メヒシバの仲間」をまとめてみる。まず、穂は一点から放射状にのびる(多少の例外はあるが)。
そして、穂の本数が10本前後で腰くらいの高さがある。→「メヒシバ」
穂の本数が5本前後で「メヒシバ」に似ている。草丈は膝ぐらい。→「アキメヒシバ」
穂の本数が2〜4本で茎は細く暗紫色。草丈は20㎝前後。→「コメヒシバ」
いささか強引だが大体の目安だと考えていただきたい。
また、穂の本数が2〜5本で、1点から放射状に出ておらず、1本1本間隔が空いているものは「アシボソ」「ササガヤ」の可能性がある。この両者は実の部分に「芒(のぎ)」を持つ。要は実の一つ一つにひょろっとしたヒゲが生えているのである。それで区別ができるだろう。
上の写真も「コメヒシバ」だと思うのだが「暗紫色」の茎が見えない。微妙だな。穂が一点から出ているので「コメヒシバ」の可能性が高い。
写真:zassouneko