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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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コバノセンダングサ/巻き添えを食う

コバノセンダングサ(小葉の栴檀草)/キク科/センダン属
北アメリカ原産。花期8〜11月。30〜90cm。

名前の由来は在来種の「センダングサ」に比べて葉が小さいという意味。小さいというと語弊があるから細かく分かれていると言うべきか。「センダングサ」が桜の葉とすれば「コバノセンダングサ」は野菜の春菊の葉という感じだ。図を参考にしてください。

帰化種の「〜センダングサ」は江戸から大正にかけて数種類が渡来している。中には栽培されていたものもあるようだが、観賞用とは思えないし、薬草としての利用も考えにくい。おそらく牧草などに紛れ混んでいたのだろう。「センダングサ」は衣服にくっつく「くっつき虫」となる種子を持っている。

「コバノセンダングサ」は極端に情報が少ない。検索しても数は少ない。中には「コバノセンダングサ」を「小花の栴檀草」と誤訳し、おまけにイラストも取り違えているサイトもある。平成10年の環境省の調査でも「稀な帰化植物」と報告があるぐらいなので、情報不足はやむを得ないところか。

冒頭に「コバノセンダングサ」の名前の由来を記したが、元々の「センダングサ」は何からきているのかといえば「センダン」という木である。その木の葉と似ていることから名前が付けられた。ちなみに「センダン」といえば「栴檀(センダン)は双葉より芳し(栴檀のいい香りは発芽してすぐにも香る=大成する才能のあるものは幼少の頃よりすぐれているという意味)」の諺でも有名です。

通常ならここで文章は終わるのですが、世間一般に広がっている誤解があります。それは「栴檀(センダン)」の扱いです。中国では白檀(ビャクダン科)のことを栴檀といいます。本来の白檀はインド原産で香木として非常に有名で貴重な植物です。ですから政府の厳しい管理下に置かれていますし、日本にはありません。ところが栴檀(センダン科)と名付けられた木が日本にはあるのです。当然ながら白檀と何の関係もありません。科が違います。日本の栴檀は薬用を目的に使われたりしますが、いい香りはしません。つまり前述の諺は正確に言えば「白檀は双葉より芳し」となります。というより「白檀」という単語があるのだから、最初から「栴檀」を使うなよと思ってしまいます。まあ中国の諺をそのまま引用しているのなら致し方ないかな。と思っていたら、この諺は「上方(京都)のいろはがるたの一つ」との記載を見つけた。犯人はこれか。おい京都、最初から直しておけよ。


イラスト:zassouneko
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