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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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ヒメヒオウギ/由緒正しい名前の継承者

ヒメヒオウギ(姫檜扇)/アヤメ科/フリージア属 
南アフリカ原産の帰化種 多年草 花期は4〜5月 別名:アノマテカ 学名:Freesia laxa

この花も情報が少ない植物である。栽培方法などはいくつも見つかるが、その情報は必要ではない。どうにかこうにか「大正時代に鑑賞用として渡来」という記述と、「ヒメヒオウギアヤメ」という別名を探し当てた。他の別名に「アノマテカ」とあるのは、以前は「アノマテカ属」に分類されていたからで、おそらくその名前で流通していたのだろう。ところが現在は「フリージア属」に分類されてしまったので、「アノマテカ」のままでは、おかしなことになる(「アノマテカ属→ラベルージア属→フリージア属」)。この花の情報はこんなところかな。

「ヒメヒオウギ(姫檜扇)」は在来種の「ヒオウギ(檜扇)/アヤメ科/アヤメ属」に似ているが、それと比べると小さくて可愛らしい花だということから、名付けられた。ここで実際の「ヒオウギ」の写真を見ながら説明していきたいのだが、この辺りでは見かけないし、またフリーの写真も見つからない。仕方なく苦肉の策としてイラストで説明することにします。皆さんには、ぜひとも「ヒオウギ」の写真で確認していただきたい。

①が「ヒオウギ」の花である。ちょっと花びらの色が濃すぎたかな。それは置いておくとして、まず「檜扇(桧扇)」とは③のような「ヒノキ」の薄板で作られた扇のことである。それが②の「ヒオウギ」の葉を連想させるところから、この花を「ヒオウギ(檜扇)」と呼ぶようになったという。それはいいのだが、「アヤメ科」の植物のほとんどは下の写真のような葉をしているから、「ヒオウギ」だけに「扇」とつけるのも「なんだかなあ」という気がする。まあ、葉は「ヒオウギ」の方が密集しているから、「扇」には向いている。

「アヤメ科」の植物の葉。名前は分からない。

改めて記憶をたどると、「アヤメ」はそこら中に咲いている。公園の脇や歩道の植え込みなどの乾いた土地でも気にしない。なかなか丈夫な花と言えそうだ。「アヤメ科」の帰化種は、この「ヒメヒオウギ」の他に「ニワゼキショウ」を見つけた。両者とも園芸植物としてやって来ているが、いずれも帰化しているところを見ると、「アヤメ科」の花は環境への適応能力が高そうである。話は変わるが、この「ヒオウギ」という名前はいろいろと問題を引き起こしているようだ。もちろん「ヒオウギ」に責任があるわけではない。名前を扱う人間の方に問題がある。それを別項で取り上げてみたい。

写真&イラスト:zassouneko
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