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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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タンポポを、なぜ「タンポポ」と呼ぶのか/ついでに「タンポポの遊び方」/2018.4.19

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タンポポ(蒲公英)/キク科/タンポポ属
在来種 多年草 別名フチナ、タナ、ツヅミグサ等 英名はdandelion

「タンポポ」は昔からそう呼ばれていたわけではありません。10世紀ごろは「不知奈、布知奈(フチナ)」「太奈、多奈(タナ)」と呼ばれていたようです。どちらにも「奈(ナ)」がついていますが、これは今で言う「菜(ナ)」と同じだそうです。このように「〜ナ」とついている植物を日本人は古くから食べてきました。「ナズナ」もそうです。「ナ」以外の「フチ」や「タ」の意味は分かりませんでした。
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それからしばらくすると、今度は「ツヅミグサ」と呼ばれるようになりました。「ツヅミ」は打楽器の「鼓」のことです。

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①タンポポの茎を4〜5センチの長さに切り、両サイドに切れ目をいれます。
②水で濡らします。
③両サイドが丸まりました。「鼓(つづみ)」の完成です。
④草の茎や小枝などを真ん中に通せば、水車や風車になります。

タンポポで遊ぶ時は水道などがある公園をオススメします。水場があると水に浸したり(②)、水車(④)にして遊ぶこともできます。また、タンポポの茎から出る乳液で手がベタベタしますので、それを洗い流すのにも水が必要です。

さて、しばらくは「ツヅミグサ」と呼ばれていましたが、江戸時代に「タンポポ」になります。そう呼び始めた人に関する記事を読んだことがありましたが、詳細は失念してしまいました。戯作者か学者だったか、とにかく物書きを職業にしていた人物だったような。

「鼓」の胴を左手で掴み、右肩に軽くかけるようにして右手の指の腹で力強く打てば「ターン」、小さく2度打てば「ポポ」と響く。冗談のようですが、これで「タンポポ」となったのです。

もちろん、「ツヅミグサ」を「タンポポ」と呼ぶというのは、個人が勝手に言い出したことです。ところが、洒落好きな人々は「タンポポ」を好んで使うようになりました。

「お、タンポポが咲いているじゃねえか」
「なんだよ、タンポポって。ツヅミグサじゃねえか」
「ホレ、鼓はターンと打ってポポと鳴るだろうが」
「なーるほど、そりゃ面白い」
というようなことがあったのだろうと想像します。そのうち子供たちも「タンポポ」の響きが面白いので、そう呼ぶようになります。やがて、世間に「タンポポ」という名が定着します。

「タンポポ」を漢字で書くと「蒲公英」ですが、これは中国語です。それを無理やり「タンポポ」と読んでいるのです。落ち着いて考えてみてください。「蒲公英」のどこに「タン」や「ポポ」があるのでしょうか。ですから「蒲公英」を「ダンデライオン(dandelion)」と読んでも間違いではありません。もしも江戸時代に「タンポポ」ではなく「ポポタン」となっていたら、今の私たちはそう呼んでいるはずです。

写真:zassouneko
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