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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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オニノゲシの棘は痛い/2018.5.5

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オニノゲシ(鬼野芥子)/キク科/ノゲシ属
ヨーロッパ原産の帰化種 2年草

日本には「オニノゲシ」という花が帰化していて、その棘は「痛い」ということは知識としてあった。いつか会いたいと思っていたので、それらしい植物を見かけるたびに葉を触って確認していたのだが、ついぞ出会えなかった。今回もいつものように触ってみたら、その痛さに驚いた。今までは痛い棘に出会っていなかったから、つい油断して思いっきり掴んでしまったのである。

同じ仲間に在来種の「ノゲシ(野芥子)」がいる。在来種は外来種に圧倒されてしまうことがあるが(例:ニホンタンポポとセイヨウタンポポ)、「ノゲシ」と「オニノゲシ」の場合はそうではないようだ。この辺りでは「オニノゲシ」をほとんど見かけないのである。この両者の見分け方は「棘が痛いか痛くないか」だ。「ノゲシ」の棘は柔らかいので痛くないが、「オニノゲシ」は痛いのだ。

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葉の下部は茎を抱く。光沢もある。棘は見るからに痛そうだ。

これが「オニノゲシ」か。そう思って全体を見ると、「ノゲシ」とは葉の色や質感がずいぶんと違うような気がする。「ノゲシ」の葉は深緑で柔らかな感じがするが、「オニノゲシ」はそれよりも鮮やかな緑で葉に光沢が見られる。葉の表面を例えて言えば「ノゲシ」は和菓子で、「オニノゲシ」は西洋の焼き菓子(バターをハケで塗って焼いた)といったところか。

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花は咲いていなかった。

国立環境研究所の「侵入生物データベース」によると「1892年に東京で確認された」とある。明治時代の中頃にはすでに定着していたようである。観賞用の花ではないので、他の荷物に紛れて侵入したらしい。

「松江の花図鑑」というサイト(いつもお世話になっています)には「ノゲシ」「オニノゲシ」の他に、雑種の「アイノゲシ」がいるという。日本産とヨーロッパ産のハーフである。ちなみに、棘は痛くないそうだ。今までは棘の痛さで判別できたのだが困ったことになった。見分けるのが難しそうである。

写真:zassouneko
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