忍者ブログ

雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ブタナ/名前のわりには役に立つ/2018.5.11

IMG_2125
ブタナ(豚菜)/キク科/エゾコウゾリナ属
ヨーロッパ周辺原産の帰化種 多年草 花期は6〜9月 別名はタンポポモドキ

東警察署の近く、「ヒルザキツキミソウ(最近、大繁殖している外来種)」と一緒に咲いていた。1933年に札幌、1934年に神戸で確認された外来種で、飼料や牧草に紛れ込んで侵入したようである。

IMG_2127
花の大きさも形も「タンポポ(セイヨウ)」とよく似ている。

IMG_2129
裏側

「ブタナ(豚菜)」とは少々かわいそうな名前だが、フランスで「豚のサラダ」とよばれていたので、そこから「豚菜」になったという。似たような仲間に「ヒメブタナ」がおり、こちらは1970年に三重県四日市市で初めて確認された。花期は4〜5月で「ブタナ」より1〜2ヶ月ほど早い。花期から判断すると、ここで紹介している雑草は「ヒメブタナ」となるが、花の大きさからいって早く咲いた「ブタナ」だろう。「ヒメブタナ」は花の直径が1〜2センチほどで「ブタナ」よりかなり小さいのだ。

IMG_2131
左:ブタナ、右:セイヨウタンポポ。タンポポは中心に筒状花があるが、ブタナはそれがない。

IMG_2126
茎は長くのびて分岐する。50センチ以上はあるだろうか。タンポポの茎は中空で柔らかいが、ブタナは中身が詰まっていて硬い。表面に毛はなくスベスベしている。

IMG_2130
葉はタンポポに比べて貧弱だ。また、地面にぴったりくっついて生えている。地面との隙間がないのである。不思議だ。

植物に動物の名前(イヌ、ネコ、ネズミ、カラス等)がついていることがあるが、それは人が利用(食用)できないことを表している。だが、この「ブタナ」はそうではなく、ヨーロッパでは食用とされている。若い葉や茎をサラダやおひたし(ヨーロッパで「おひたし」というかどうか知らんが、とにかく茹でるのである)、揚げ物などにするという。タンポポよりも苦味が少ないらしい。タンポポコーヒーというのがあるが、「ブタナ」もコーヒーにできるようだ。ギリシャのクレタ島では茹でたものをよく食すという。なかなか有用な植物である。まあ、敢えて食う気はないが。

写真:zassouneko
PR