後ろに見える葉は「カキドオシ」である。
4月の下旬に久屋大通り公園へ雑草観察に出かけた。その帰り道に見つけたのだが、正体がさっぱり分からなかった。どこから調べ始めたらいいのか見当もつかないのである。花が咲いている植物の写真はたくさんあるのだが、そうでない写真はとても少ないのだ。最近になって散歩の途中で同じような植物を見つけた。「ヤエムグラ」と一緒に生えている。あれ、ひょっとすると、あの植物も「ヤエムグラ」なんじゃねーのか。
そういえば、以前見かけた時に触った感じが「ヤエムグラ」がそっくりだったのを思い出した。ヒントを与えてもらったのに気がつかなかったのは、植物の見た目が変化していたからである。葉は全て落ち、実の部分だけが残っている。葉が無くなるだけでずいぶんと印象が違ってくる。それに加えて、つる性の植物のように地面に横たわっている。それまでは真っ直ぐ上にのびていたのに。
ヤエムグラ(八重葎)/アカネ科/ヤエムグラ属
在来種 1〜多年草 花期は5〜6月 高さは60〜90センチにまで成長する。 成熟した種は、衣服などにくっつく、いわゆる「くっつき(ひっつき)虫」となる。
「ヤエムグラ」は地味な雑草である。もともと雑草とは地味であるが、それに輪をかけて地味である。花もあるのかないのか分からないぐらい小さい。取り柄といえばくっつくことぐらいだ。だが、取り柄はもう一つあった。変身するのである。種をつけた姿と以前の姿がこれほど違うのも珍しいように思う。
写真:zassouneko