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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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ブタナとヒメブタナ/2019.4.7

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ヒメブタナ(姫豚菜)/キク科/ブタナ属(コウゾリナ属という記載も見かける)
ヨーロッパ原産の帰化種 1970年に三重県の四日市で確認された 花期は4〜5月 別名はケナシブタナ

3月の末頃だったか。交差点の脇に何か生えているなと気付いてはいたが関心は薄かった。「どうせオニタビラコだろう」と思い込んでいたのである。私は雑草に関心があるが、外出のたびに道端の雑草をじっくりと立ち止まって観察している訳ではない。そんなことをしていては100メートル進むのにも時間がかかってしまうではないか。だから、普段はちらっと見て「ああ、またあれか」で終わりである。ヒメブタナの場合は、赤信号で交差点に立ち止まった際に、改めて観察した結果である。それがきっかけでようやくヒメブタナだと判明したのだ。ブタナは去年に見つけているので、これでブタナ、ヒメブタナのセットが完成した。「完成した」と書くと、何事かをやり遂げたような気になるが、考えてみればそんな大層なことではないのである。けれど2つ揃うとなんとなく達成感がある。コバンソウ・ヒメコバンソウやカラスノエンドウ・スズメノエンドウとか。それがどうしたっちゅう話であるが。
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葉はロゼット(放射状に丸くなる)になる。そして茎の上部に葉は生えない。長い茎の先に1つだけ花をつける。

ブタナの帰化が確認されたのは1933年なので、それより40年ほど遅れてヒメブタナはやって来た。名前に「ヒメ(姫)」とついているのはブタナより全体的に小さいからだというが、実際にどうなのかは分からない。ブタナ自体も2回しか見かけたことがないし、それが正常の大きさのブタナかどうかは確かめようがないのである。けれども、花の大きさはヒメブタナの方が明確に小さい。それをもって「姫」と名付けたのだろうか。また、別名にケナシブタナとあるように、葉に毛は生えていないのに対し、ブタナは細かい毛が多い。もしかして毛が生えていないから「姫」とつけたのかな。いやいや、そんなことはないだろう、毛むくじゃらの姫様だっているだろうし。いないか。

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上がヒメブタナ、下がブタナ。かなり大きさに違いがある。ブタナの別名はタンポポモドキという。
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上がヒメブタナ。葉の中央の葉脈が赤っぽくなる。葉は柔らかくしっとりした手触りだ。下はブタナ。ブタナは毛があるせいか、やや硬く乾燥した感じがする。
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ブタナの花期は6〜9月、ヒメブタナは4〜5月。桜の咲く時期に見かけるのはヒメブタナだろう。

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この辺(蕾)の見た目は両者とも同じである。

ブタナとヒメブタナはよく似ている。なので交配することもあり、それをアイノコブタナと呼ぶ。上で紹介したものも、それである可能性がある。
追記:書き忘れていた。この植物が「ブタナ(豚菜)」と名づけられたのは、フランスでこの植物を「豚のサラダ」と呼ぶことからであるという。

写真:zassouneko
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