ランタナまたはシチヘンゲ(七変化)/クマツヅラ科/ランタナ(シチヘンゲ)属 南アメリカ原産の常緑低木 草丈は〜2m前後 花期は5〜10月
在来種や外来種を問わず、雑草が都市で生きていくのは大変だ。そもそも生育できる場所が限られているし、何より人々の目の敵にされるからである。同じ植物でありながら庭に植えられ観賞されるものとは扱いがずいぶんと違う。都会の中では人の美意識によって運命が決まるのだ。だが、その美意識を逆手にとって街中で繁栄している雑草がある。それがこの「ランタナ」である。ああ、少し違うか。「ランタナ」は草ではなく「木」なので「雑木」と言うべきか。
「世界の侵略的外来種ワースト100」というリストがある。これは全世界を対象に、環境や人間の生活に特に大きな影響を及ぼす生物を取り上げ注意喚起を促すものである。植物はそのうちの4分の1ほどを占めるが「ランタナ」も堂々とランクインしている。
中央線沿線(古出来町付近)の「ランタナ」。2008年撮影。
環境省の報告書では「毒」を持っていると注意を呼びかけている。子羊や子牛が食べると死に至る場合があるそうで、特に種が危ないという。別の法人の報告書には「子供が食べると死ぬ」と記載がある。この花は果実もキレイなので子供が好奇心から口に入れてしまうことも考えられる。
上の2枚の写真は国道19号線沿いの植え込みに咲く「ランタナ」。定期的に草刈りをしているようだが、どういうわけか花が咲いている「ランタナ」は駆除されない。何か意図的に刈り残しているようにも思われる。まさに「ランタナ」の思うツボである。
最後に環境省の注意事項を載せておく。
「栽培にあたっては、管理されている場所や施設以外に、逸出を起こさない適切な方法で行うことが重要である」「関係業者や利用者は、責任を持って栽培し、栽培できなくなった場合は野外へ遺棄することなく、適切な処分を行うことが必要である」「暖地では野生化しているが、分布拡大のおそれがある場合には、防除の検討が望まれる」
写真:zassouneko