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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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モクレンは帰化種/2018.3.31

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モクレン(木蓮)/モクレン科/モクレン属
中国原産の帰化種

雑草ブログと名乗りながら最近はちょくちょく樹木も登場する。春先は雑草も少ないので大量の花を咲かせている樹木がどうしても目に入るのである。名前の由来を調べてみると樹木もそれなりに面白い。
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「シモクレン(紫木蓮)」。3日ほど前に撮影。

「モクレン」が帰化種だったとは知らなかった。調べてみると紫色の「シモクレン(紫木蓮)」が平安時代の918年、白い「ハクモクレン(白木蓮)」が江戸時代の1677年との記載があった。この年代は実際に渡来したという年ではなく、その年に刊行された書物に日本で初めて名前の記載があったということである。つまり、もっと前に渡来しているのだ。平安時代の918年の場合、遣唐使は894年に廃止されているので、918年に渡来したというのは考えづらいのである。江戸時代も同じようなことだろう。
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「モクレン」は当初は「モクラン(木蘭)」と呼ばれていたという。中国語だとそう書くのである。今の中国では「蘭」の字を使わないが(簡体字になったようだ)、読みは今でも「lan」である。へー、「ラン」は中国語なんだ。それはさておき、「モクラン」は中国から渡来した植物なので、名前もそのまま使用していたが、江戸時代になって「ラン(蘭)よりレン(蓮=ハス)に似てんじゃね」と異論が出て、それ以来「モクレン(木蓮)」になったという。平安時代に渡来してから、そこに気付くまで、ずいぶんと時間がかかっている気がするが、白い花(白木蓮は江戸時代に渡来)だったからこそ「蓮(ハス)」に似ていると気付いたのだろう。命名の仕方が適当な気がするけど、私も「ランよりはハスだよな」と思う。名前なんてそんなことで決まるのである。
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花弁が大きい。

平田町交差点の南西の歩道に「モクレン」が植わっている。すぐ隣にビルが建っているので日当たりは悪いが今が盛りと咲いている。手の届くところの花を引き寄せてみると驚くほど大きい。手のひらが隠れるほどで花びらも厚い。地面に落ちた花びらを拾い上げてみると思いのほか重い。
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枝は好き勝手にのびているように見えるが、全ての葉に光が当たるようにバランスを取っている。どの植物もそうである。感心する。

写真でよく見る「モクレン」の花は、赤ワイン用のグラスの形をしている。チューリップのような形と言ったらいいかな。だが、時間が経つと花びらが開いてくるようである。ここにある「モクレン」も全開とまではいかなくとも、かなり開いている。花の終わりが近づいている。
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こちらは「コブシ」。「モクレン」の隣に植えられていた。同じ科・属なのでよく似ている。

追伸:この記事は3月26日に下書きをした。今日(31日)散歩のついでに寄ってみたら花は全て散っていた。「ソメイヨシノ」はまだ咲いているが、それより早く「モクレン」の花は終わるようだ。

写真:zassouneko
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