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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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ヨモギ/雑草界のスーパースター/その1

ヨモギ(蓬)/キク科/ヨモギ属
在来種 多年草 花期は9〜10月 50〜120cmほど

●秋の花粉症の原因となっている植物。

※追記とお詫び:末尾にも書いたが、これらの写真は「ヨモギ」ではなく「オオヨモギ」であるような気もする。タイトル詐欺になってしまって申し訳ないが確信がもてないのである。そのお詫びといっては何であるが、追加情報として「ヨモギ」は秋の花粉症の原因となっていることを付け加えておきます。楽しい話ではないのが残念である。/2015.10.02

ヨモギは春に限る
草餅やお灸で名高い「ヨモギ」である。野菜の春菊に似た葉を持つこの雑草は、私の住む近所でも春先になると見かけるようになる。子供の頃から見覚えがあった。と、言っても「ヨモギである」とはっきりと認識していた訳では無い。まあ「キク科」の何かで、たぶん「ヨモギ」の仲間だろうな、ぐらいの印象だったのだ。今思い返してみると、名前を調べてみようという考えが、まったく浮かばなかったことが不思議でさえある。中途半端な知識があったので調査が後回しになった感がある。

「ヨモギ」は日本の在来種で、源順(みなもとのしたごう、と読みます)の「倭名類聚抄934年)」には中国の事典を翻訳する際に、「蓬」という漢名(中国の呼び名)を、これは「和名(日本でいうところの)与毛木」と同じものであるとしている。「ヨモギ」と日本で呼ばれるようになったのは、おそらくこれ以降のことだろう。

元「ヨモギ」と現「ヨモギ」その1
ところがこれが間違っていたのである。中国でいう「蓬(ヨモギ)」とは日本にある「ムカシヨモギ(昔蓬)」にあたる雑草だったのだ。「蓬」を「yomogi」と訓読みするようになったのは「与毛木」という言葉が日本に元々存在し、そう発音していたからである。つまり呼び名は「ヨモギ」で間違いではないのだが、それを「蓬」と漢字で書いてしまうと厳密に言えば間違いである。ここで「厳密」と書いたのは理由がある。日本の漢字は中国から渡ってきているので(国字という日本独自のものもあるが)、「蓬」と漢字で書くと中国と表す意味が違ってしまうので、誤った表記になる。では「厳密でない」場合はというと、現在では日本と中国では同じ漢字であっても意味が違ってきたり、書き方(簡体字)が違っていたりするので、「蓬」を日本独自の表記と考えれば、あながち間違いであるとも言えない。まあ「今さら名前の表記を変えられない」ほどに普及してしまっているし、日本人はそんな必要も考えていないだろう。私も「それでいいのだ」とバカボンのパパのように返答するだろう。
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