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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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白首烏(はくしゅう)/韓国の偽薬草騒動/まとめ

この騒動の別情報を見つけたので、それも踏まえてまとめてみた。

事件のあらまし
①人気の健康機能食品(更年期障害に有効)に表示と違う薬草が使われていた。
②この薬草は中国から輸入されたもので毒性がある。騒動の結果、株式市場も混乱し大きな損害がでた。

違う草なのに同じ名前で呼んでいる?
①の問題の発端となった植物について歴史も含めてまとめてみる
一千年以上まえの書物に何首烏(かしゅう)という薬草が登場する。これは「ツルドクダミ(タデ科でドクダミとは関係ない)」の根を利用する生薬である。効能は「不安が消えて血行がよくなり髪は黒々となり活き活きとした表情になる(意訳)」だ。この生薬は赤何首烏(せきかしゅう)と白何首烏(はくかしゅう)とに区別されるようになる。時が流れ、今問題になっている白首烏(はくしゅう=白何首烏から『何』を取った)は中国では「大根牛皮消(Cynanchum bungei Decne)」と呼び、韓国では「コイケマ(和名は小行馬。Cynanchum Wilfordi Hemsley)」を指すようになった。なぜかタデ科からカガイモ科に移動している。また両者ともガガイモ科に属しているが学名が違うので別の種(品種)であることがわかる。ところが両者とも「白首烏(はくしゅう)」と同じ名前で呼んでいるのである。

②中国から輸入したのは数量の確保のためだろうし、「白首烏」という名称は合っているので中国が偽装したわけではないように思える。注文された品を納入しただけである。また「ガガイモ科」の根には毒があると日本では昔から知られていたようだ。


感想(疑問点)

特定機能食品って日本でいう「特保」みたいなものか。法律が日本とは違うだろうけど「食品」というからにはたいした効能は期待できまい。効能に更年期障害と謳っても大丈夫なのか。「摂取したマウスの半数が死んだ」って書いてあるけど、どの部分を食べさせたのか。根っ子をそのまま与えればマウスなんかは死ぬよなあ。この薬草の仲間が日本にもあるけど葉や茎を使うのが基本だし、根は危険だと書いてある。それに成分がそんなに違うものなのかなあ。両方とも「白首烏」って名前でしょ。

いずれ検証記事が出るだろうから(あの国だから出ないかもしれない)、答え合わせを楽しみにしている。もともと使用している言語が違うので、報道で日本語表記された植物名が正しいのか誤訳なのかはわからない。前提が正しくなければここでの考察はくずれてしまう。

今回の教訓は「商品をお買い求めの際は、内容をよくご理解・ご確認いただいてからご購入ください」でいいのかな。もちろん輸入者と消費者に向けての言葉なんだけど。
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