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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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シロツメクサとレンゲ

シロツメクサ(白詰草)/マメ科/シャジクソウ属
ヨーロッパ原産の帰化植物 花期は春〜秋 別名クローバー

江戸時代の末期、鎖国政策を続けていた日本と交易のあったのはオランダだけでした。オランダは1846年にガラス製品を江戸幕府へ献上していますが、その際に緩衝材として使用されていた草が「シロツメクサ」だといわれます。箱に詰める白い花の草という意味です。

マメ科の特徴は、根粒菌の助けをかりて空気中の窒素を根に固定できる能力を持っていることです。窒素はリン酸、カリと共に植物にとって特に重要です。その一つを自給できるという能力こそ、マメ科が世界中で繁栄している理由の一つです。春頃に車や鉄道などで地方に向かう際に、白やピンクの花が畑一面に咲いているのを見かけることがあります。子供の頃は 白い花を「クローバー」、ピンクの花を「レンゲ」と呼んでいました。

「クローバー」は葉が3つあるマメ科の植物の総称です。そこに「カタバミ(カタバミ属)」や「ウマゴヤシ(ウマゴヤシ属)」も含めると「シャムロック」となります。「レンゲ」は童謡の「春の小川」にも「き〜し(岸)のスミレやレンゲの花に〜」と歌われてもいますが、この「レンゲ」は正しくは「ゲンゲ」という中国産のマメ科ゲンゲ属の植物です。「レンゲ」は「蓮華」と書きますので、これはハスの花を意味します。ハスの根は「蓮根(レンコン)」です。またラーメンや中華料理を食べる際に使われる「レンゲ」は正確には「散蓮華(ちりれんげ)」と言い、ハスの花びらの形が名前の由来となっています。「散って落ちてしまった1枚の花びら」とは詩的な表現ですが、今では「レンゲ」といえば蓮の花ではなく、あのスプーンをまっさきに頭に思い浮かべるのではないでしょうか。「レンゲ(蓮華)」と呼んでいるのにスプーンが連想されるのは、それぐらい自然から離れてしまったということです。

畑に白い花が咲いていれば「シロツメクサ」、ピンクならば「ゲンゲ」か「モモイロツメクサ」、紫なら「ムラサキツメクサ」、黄色なら「ウマゴヤシ」の仲間でしょう。色とりどりのクローバーが咲いているような風景は昔に比べて少なくなったような気がします。クローバーを育てるよりも、化学肥料を畑に散布する方が確実ですし手間もかかりませんから。

幸運の象徴とされる四つ葉のクローバーは通常のものの変異体です。四つ葉になる要因は遺伝、環境、形成異常、またはそれらの複合的なものと様々で確定していないようです。ちなみに岩手県の男性が60年かけて56枚葉のクローバーを作り出し、ギネスブックに登録されたそうです。そこまでいってしまうと言葉を失います。それに関しては何も言えませんが「何のために?」とクローバー自身は思っているでしょうね。

西洋の言い伝えによれば、幸運が訪れる条件は「特に偶然に発見した場合」とありますので、意図的に探すような行為をしては運が逃げてしまうようです。幸運はそう簡単には訪れないということですね。


イラスト:zassouneko
追記&訂正:「クローバー」「シャムロック」の定義を書き直しました。(2015.12.11)
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