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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

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ヒレタゴボウ/ちょっと名前が分かりづらい

ヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)/アカバナ科/チョウジタデ属
北(南)アメリカ原産の帰化種 1年草 花期は8〜10月 草丈は50〜100㎝ 別名はアメリカミズキンバイ

「ヒレタ+ゴボウ」ではなく「ヒレ+タ+ゴボウ」である。植物の名前にいきなり「ヒレ」が出てくるから困惑する。

花の大きさはこのぐらい。葉に赤い斑点がある(人差し指の上の葉)。

日本で最初に確認されたのが1921年(大正11年)で高知県で発見された。その時の標本が国立博物館に残っているという。1950年代には四国中に広まり、やがて全国へという流れのようである。

実の部分。写真だと分かりづらいが、中指の上にある実のつけ根あたりの茎が少し出っ張っている。これが「ヒレ」かな。

名前の後半部分の「タゴボウ(田牛蒡)」とは、田んぼに生え、根っこがゴボウに似ていることから名付けられた。分かりやすい。では前半部分の「ヒレ(鰭)」と何だろうか。「ヒレ」と言われると魚に付いているヤツしか思い浮かばないので戸惑ってしまうが、実はそれで合っているのである。「ヒレ」といっても、尾ビレ、背ビレ、胸ビレ、尻ビレなどいろいろあるが、イメージとしては背ビレが近いだろう。

上の写真は「懸魚(げぎょ)」である。社寺や古い家屋に見られる装飾の一つで、赤い矢印の部分を「ヒレ」という。魚に「水はつきもの」ということで、要は「火除けのおまじない」なのだ。お城の上にある「シャチホコ」も同じ理由からである。「シャチホコ」は一応魚の形をしているが(シャチは哺乳類だが細かいことは気にしないように)、「懸魚」は魚には見えない。だが、昔は魚の形をしたものを軒下に吊り下げていたようである。それが時が経つうちに今のデザインになった。単純な「魚の形をした板」では人々の美意識を満足させるのは難しかったようである。


茎の断面はほぼ三角形である。上の写真の中指のあたりにある茎が少し横に張り出している。三角形の一辺だけが大きくなったような状態である。ネットで検索すると、茎に沿うように板状の「ヒレ」のある写真があった。形としては「懸魚」の「ヒレ」に似ている(と言っても透かし彫りの穴はなく、板状であるが)。私が見つけたものは、まだそこまでは成長していないようで、はっきりとした「ヒレ」はない。というか、ここから成長するのかな? すでに種もできているから、ここで終了のような気がするぞ。

写真:zassouneko 
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