今年の夏は記録的な猛暑だった。それでも季節は移り変わる。大きな台風がいくつも通り過ぎて、ようやく本格的な秋が来た。と思っていたのだが、このところ雲が多く、すっきりした秋晴れに出会えない。だが今日は(21日)は秋らしい青空が広がり、清々しい。小春日和というやつだ。さて、雑草たちはどうしているかな。久し振りに会いに行ってみた。3か月ぶりかな。
まずは「アップルミント(マルバハッカ)/シソ科/帰化種」から。
穂は枯れているが、葉はまだ緑のものがある。穂の匂いを嗅いでみると香りはまだ残っている。といってもミントの爽やかな香りではなく、どことなくシソを思わせる匂いである。雑草化すると、そんなもんである。
7月頃の同じ場所。
「ダキバアレチハナガサ/クマツヅラ科/帰化種」。花がまだ残っている。しぶといぞ。
7月頃の「ダキバアレチハナガサ」
茎の断面は四角。4つの角が少し出っ張っていて硬い。中国では、この花の仲間を総称して「馬鞭草(バベンソウ)」という。「鞭」とは「ムチ」である。つまり「馬を叩く鞭の草」なのだ。それほど硬くて丈夫な草である。威力のほどを試してみたいのだが、硬くて丈夫なので折り取ることができない。切断には刃物が必要であるが、刃物を持って草を振り回していれば立派な不審者である。
「セイタカアワダチソウ/キク科/帰化種」
今では雑草扱いだが、当初は観賞用として入ってきたのである。秋も深まると花をつける植物は少なくなるが、この花は晩秋でも咲く。なので、ミツバチの秋の再蜜用の花としても利用された。一時は全国に広がり猛威(アレロパシー=他感作用)をふるったが、現在は大人しくなった。「セイタカ」の名前通り草丈が2メートルを越えることもあったが、ここに生えているものは1メートル前後である。また、花粉症の原因の一つとされたが、前述したミツバチの件でも分かるように、風媒花ではなく虫媒花なので花粉はほとんど飛ばないのである。
向こうにネコがいる。すぐ逃げてしまったが。それはともかく。最初は「ススキ/イネ科/在来種」かと思ったが、「オギ/イネ科/在来種」のような気がする。ここから50メートルほど離れた場所に「オギ」の群落が以前あったのだ。そこから移動してきたんじゃないかな。
同じ日に別の場所で撮影したもの。こっちが「ススキ」のような。穂の色が赤っぽい。
「ススキ」ついでに、上の写真は観賞用の「斑入りのススキ」である。葉に斑が入っている。一見すると「木漏れ日」かと錯覚しそうだが、模様なのである。右下の葉をご覧いただきたい。
「メリケンカルカヤ/イネ科/帰化種」。特に今年は多く見かけたような気がする。暑さに強いのかな。上に挙げた「ネコが写り込んだオギ」の写真の右側にもこの草が写っている。
「メリケンカルカヤ」の葉のつき方は変である。イネ科の葉は普通なら斜め上や横に向かうのに、この草だけは茎に沿うように上にのびていく。若い「メリケンカルカヤ」だと、地中から緑の細い棒が生えているように見えてしまうのだ。
写真:zassouneko